2018世界バレー女子、連日盛り上がってますね!
私も毎試合、テレビの前で手に汗握っています。
本日10日は2次ラウンド第3戦、対戦相手はリオの銀メダリスト・セルビアチーム!
セルビアと言えばやはり、高さ&速さですよね。
特に190cmを超える長身ミドルのブロックや移動攻撃は、かなりの脅威。
中でも16番ミレーナ・ラシッチ選手は本日現在、ブロック得点率で5位に入っています。
しかもセルビアはここまで無傷の7連勝。すなわち落としたセットはまだ0なのです!
対する日本はどう戦うのか!?
解説の真鍋前監督は「アタック対レシーブの戦いになる」とおっしゃっていましたが、いかに!?
大注目の一戦をセット毎に振り返りたいと思います!
対セルビア戦・第1セット(15-25)
中田久美監督がさっそく動きました。そう、スタメンに大きな変化が!
ライトにはこれまでサーブレシーブの上手い新鍋理沙選手をスタメン起用してきましたが、今回は長岡望悠選手を起用。
古賀紗理那、黒後愛、長岡選手と、エース級アタッカーを3枚を揃えてきました!
序盤で光ったのは、6-4の時の黒後選手のバックアタックや、続く古賀選手のブロックですね。特にブロックはドンピシャで叩き落としていて、流れを変えそうな1本でした。
残念ながらサーブで崩され、先に8点目をとられてしまいましたが…。
中盤では田代佳奈美選手のレシーブからの、奥村麻依選手の素晴らしいつなぎがありました。
毎試合思うのですが、彼女は反射神経がすごいですよね!ブロックカバーやフェイントカバーの動きがとてもいい。
ミドルの選手がここまでつなぎ上手だと、すごく助かると思います。
その後、黒後選手の連続被ブロックがある一方、セルビアは攻撃が面白いように決まる展開が続き、日本はタイムを早い段階で使い切ります。
いいトス上がらず、苦しい場面が続く日本…気付くと10点以上の大差が。
21-9のところで黒後選手に代わり、石井優希選手がコートに入ります。私は彼女のプレーが好きで、ふだんから応援している選手の一人。
ラシッチ選手のブロックなどでセルビアが実力を見せつけますが、ここから日本が粘る場面も出てきました。
良いスパイクレシーブから長岡選手、荒木絵里香選手が決めた11・12点目は、久しぶりに日本のコートを明るくしました。
そして荒木選手のブロック!ついにラシッチを止めたー!!
これがなかったら次のセットに向けて残念な終わり方になるところだったと思います。
セットポイントを握られた際も、石井選手と長岡選手のコートに突き刺さる強打で14・15点目をとるなど、チームが機能しないまま終わらず良かった!
ただ、セルビアからしたらこのセットは狙い通りの勝ち方だったことでしょう。
日本は被ブロックの目立つ1セット目となりました。
対セルビア戦・第2セット(25-23)
第2セットでは、黒後選手に代わった石井選手が引き続きスタメン出場。
石井・古賀・長岡の3枚エース。私はこの布陣が見たかった!
序盤は石井選手のスパイクやブロックで競りつつも、拾えそうな球を落とすこともあり、なかなか勢いがつかないように見えましたが…
古賀選手の好スパイクレシーブから長岡選手が決めた7点目!
からの、ミハイロビッチ選手を止めた奥村選手のシャットで8点目を先取!
日本の2点リードでテクニカルタイムアウトを迎えます。
その後、古賀選手が押し合いで勝ったり、再び奥村選手がブロックを決めたり、長岡選手が苦しいラリーを制したり、良い場面が増えていきます。
それにしても、流れを渡しそうになるところで決まる石井選手のスパイクは、本当にスカッとしますね。
彼女は単なるパワープレーヤーでは決してなく、技術も高いしスイングがとても速いのが強み。
次のタイムアウト時にはリードを4点に広げます。
TO明け、古賀選手のバックセンターからの17点目は良い采配でした!
一方で190cm代のパワースパイクはどうにもならないものも多く、ミドルの攻撃を立て続けに決められます。
日本にも好ディグがありましたが、セルビアのセッター・オグニェノビッチ選手のサーブの間に19-18と1点差に迫られてしまいました。
まあ、簡単に勝たせてくれるはずはありませんね。
その後、古賀選手のナイスコース!なストレートで20点目。
リベロ・井上琴絵選手の粘り強いレシーブが生んだ21点目。
古賀選手に代わった内瀬戸真実選手のサーブレシーブ(落ち際にサイドに流れた球をワンハンドでセッターに返した!)を石井選手が決め手22点目。
このリードを死守したかったところですが、22-22でついに同点に追いつかれます。
23点目は日本が取ると、セルビアがタイムアウト。
ここで日本は流れを切らさず、長岡が切って24点目!
すると、なんとセルビアが再びタイムアウトを要求します。
しかし井上選手の好レシーブからのラリーを長岡が再び強打で制し、第2セットは日本の勝利!
追いつかれそうなところできっちり突き放すという、非常に良い終わり方でした!
今大会、セルビアがセットを落としたのはこれが初になります!
対セルビア戦・第3セット(25-23)
日本は第2セットと同じスタメンのまま第3セットをスタート。
それにしても、セルビアの迫力あるブロックはまさに壁!
序盤はミスもありリード許し、5-1とセルビアに走られて日本のタイムアウト。
その後も古賀選手が止められるシーン、軟打になるシーンが続き、序盤は波に乗れません。
6点目の取り方が素晴らしかった長岡選手が7点目ももぎ取り、ここで同点に追いつきます。
この間、バックセンターを守るレフトプレーヤー、古賀&石井選手がよく上げること!
強烈なセルビアのアタックを何度も拾っていましたね。
9点目石井選手のスパイクには、石井らしさ=速さと工夫がありました!
10点目も、自分でサーブカットしてからの石井!!
セルビアにミス出て11-10と逆転したところで、田代選手のサービスエース!
2点差となりセルビアがタイムアウトを取りました。
日本のサーブが走ってセルビアのミドル攻撃が減ると、こんな風に競るんですね。やはりサーブ、大事です。
その後、井上選手の超ファインプレーがありつつも再び同点。
リバウンドをしつこく繰り返した長岡選手のストレートが決まった14点目は、会心の1点でした。
次はエースのミハイロビッチ選手がスパイクをアウトに。
セルビアは15-14でミスの続いていた彼女を下げる決断をしました。
日本16点目は、長岡選手のタイミングをずらした打ち方が技あり!
リードしてテクニカルタイムアウトを迎えます。
頼もしい荒木選手のブロードで18点目。
シビれたのは19点目です。
内瀬戸選手のサーブカットからの、長岡選手の目の覚めるようなバックアタック!
しかし一気には押せず、次の1点はバタバタして日本チームは自ら失点。
ムードを落としたところでラシッチ選手の鮮やかBクイックで同点となります。
それにしても何度ここまで「ラシッチー!」という実況を聞いたことか。
それでも競り負けないのが今日の日本です。
奥村選手のサーブで崩し良い流れをつかむと、古賀選手が立て続けに得点します。
特にサーブレシーブした直後のスパイクで決めた24点目は素晴らしかった!
日本はこのまま25-23で2セット連取!
デュースにしなかったのが本当に良かった!
これで最低でも勝ち点1はゲットです。
対セルビア戦・第4セット(25-23)
さてここでセルビアはセッターを代えてきましたが、ラリーを強打で制した1点目の取り方を見て、結果への期待が高まります。
2点目もラリーを古賀選手がよく決めました。
ここでもう一人のリベロ・小幡真子選手のスーパープレー!
またもミハイロビッチ選手を下げるセルビア。日本の狙いが当たっている証拠です。
それでも序盤はシーソーゲームでしたが、両レフトが頑張ります。
特に田代選手のスーパーレシーブが二本も出て、これを石井選手が決め切ったのは大きかった!
古賀選手が最高のブロックを決めて10-8、このセットもリードします。
しかしセルビアがここで引き下がる訳もなく。
高さを生かした攻撃をバンバン決められ、逆に日本はサイドアウトが取れなかったりサービスエースを許すシーンもあったりで、6連続失点を許します。
きっちりサイドアウトをとるセルビアが先に16点目をとり、二度目のテクニカルタイムアウト。
13-17で日本に難しい雰囲気が漂い始めたのですが、井上選手のファインプレーなどが出て、完全には流れを渡しません。
そんなところで石井選手のサービスエース!
やはり良いディグは流れを作りますね!!
次もラリーになるものの、また井上選手のレシーブから攻撃を組み立て、17-18と背中を捉えたところでセルビアがタイムアウト。
この日の日本はここからが強かった!
長岡選手のコース打ちが決まって同点です。
このセット、追いつけると思わなかった!
しかも19-18と日本が逆転!!
石井選手サーブのローテでだいぶ稼ぎましたね。
小幡選手のフライングレシーブも素晴らしかった!
きっちり上がらなかったトスを左で押し込んだ古賀選手には、決める気迫が感じられました。
競った終盤にも集中を切らさず、ラリー中に「ここで荒木!?」な荒木選手の速攻が決まり、
22-21と日本が1点リード。
石井選手の決めた24点目は良いコースで、頭脳プレーが光りました。
最後も彼女のブロックアトで、なんと日本は全勝のセルビアから勝利をもぎとりました!!
まとめ
強豪国を相手に接戦を演じても、終盤に競り負けるパターンはこれまでに何度もあったと思います。
しかし今日のセルビア戦ではそんな不穏な空気は感じさせない戦いぶり。
勝ち点3をしっかりつかみ取ったのが何より立派です。
そして選手たちを迎える中田監督の表情ですよ。もらい泣きしちゃう。
インタビューでアナウンサーに「熱いものが込み上げてましたね」たと言われ、「いつも熱いです」と答えたのが、何だか良かったです。
選手やスタッフの前では涙ぐんでも、インタビューではサバサバしようとするのが中田監督らしいですよね。
ヒーローインタビューは、今日はリベロの二人が呼ばれても良いんじゃないかな、と思っていたら、井上選手が呼ばれました。
声が可愛くてびっくりした!
そして真鍋監督のおっしゃった冒頭の言葉を借りるなら、日本のレシーブはセルビアのアタックに勝ったと言っていい。
リベロの二人はもちろん、全員の守備が素晴らしく見応えのある試合でした。
それにしても、ほぼワンサイドゲームとなった第1セットで折れなかったのがすごい!
感動しました!
石井選手、今日はコートに立ち続けられて良かったね!