12月2日日曜日、徳島市立体育館にて行われたJTサンダーズvs大分三好ヴァイセアドラー戦の感想ブログです。
今回は現地に応援には行けず、DAZNでの観戦でした。
個人的な見どころ
5勝5敗のJTサンダーズは勝ち星を先行させるため、そして前日の東レ戦の負け方を払拭させるため、絶対に落とせない一戦です。
一方、前日フルセットでジェイテクトに勝ち、今季初勝利をあげた大分三好。
三好は昨季のチャレンジリーグで準優勝し、リーグ再編成に伴いV1リーグに上がってきたチームです。
V1リーグの所属チームが前プレミアリーグより2チーム増えたことで、上位と下位チームの実力差が開き、長野や三好には苦しいシーズンになっていると思います。
優勝をかけて熾烈な戦いを繰り広げるチームと、連敗から脱出できないチームとでは、モチベーションも大きく異なってくるはずです。
それでも選手である限り努力し続け、考え続け、挑戦し続けなければなりません。
選手層のちがう下位のチームが、どんな気持ちでどんな目的や目標をもち、強いチームに挑んでいくのか。
先月、大阪で大分三好ヴァイセアドラーというチームを生で観てきたので、そんなことを考えつつ試合を観ていきたいと思います。
スターティングメンバー
☆JTサンダーズのスタメン
3深津旭弘→16劉力賓→2小野寺太志→6トーマス・パトリック・エドガー→18山本将平→1安永拓弥
リベロ:10井上航
★大分三好ヴァイセアドラーのスタメン
15マーク・エスペホ→9林一壽→14ヤカン・グマ→→4勝将哉→18高山伸吾→藤岡諒真
リベロ:7松尾敬介
(敬称略・サーブオーダー順)
第1セット
JTはいつもながらチームワークの良さそうな楽しげな雰囲気。
大分三好も前日勝った勢いで、チームに元気があるのを感じます。
そんな中、深津選手が2本連続強打を上げて、最後はエドガー選手が決めた場面が印象的でした。
前日決定率が3割と低迷したエドガー選手、やはりセッターの深津選手が一番そのことを気にかけていると思うので、大事なシーンで決めてくれた彼にかなり声を掛けていましたよね。
もし自分が男子選手でアタッカーだったら、深津選手のような闘志むき出しでハイタッチしに来てくれるセッターとプレーしたいものです。
さて序盤は競る展開で、大分三好はヤカン・グマ選手が二段トスを打ち切ることで苦しいながら得点を重ねます。
そして決める度に日本人選手中心にチームを盛り上げていくスタイル。
三好が8-6とリードして最初のテクニカルタイムアウトを迎えます。
その後もJTのコート内がバタついていたのですが、三好の選手がダイレクトスパイクを決めるか…と思ったところで、小野寺選手がすかさずシャットアウト!
これで8-9とし、さらに劉選手が三好のクイックを止めて9-9と並びました。
さすが高さを誇るJTといった感じ。
JTはこの連続ブロックからリズムを作っていくと思いきや、三好もしっかりサイドアウトをとっていき、16-15と競ったまま二回目のテクニカルタイムアウト。
明けてJTは安永選手サーブのところで久原選手をリリーフサーバーとして投入、このローテで2点取ります。
踏んばりたい三好ですが、終盤にコンビミスやサーブミスが出るなど、自ら失点してしまう場面も…
一方JTは「いつも通り」なブロック&スパイクで得点を重ねます。
三好の高山選手が山本選手をシャットして24-21とすると再び盛り上がりますが、その後サーブで崩すもエドガー選手の強打に押し切られ、25-21で第1セットは終了です。
第2セット
小野寺選手のクイックでスタートしたJTサンダーズは第2セット、冒頭から大分三好を終始リードしていきます。
しかし両チームともにピリッとしない展開というか何と言うか…苦しまぎれの攻撃やミスによる得点が多く、なかなか面白いバレーが見られません。
11-7のところで副審のジャッジミスでプレーがやり直しになると、ここで久しぶりのラリー。
最後はJT小野寺選手がヤカン・グマ選手をブロックしましたが、ようやく見応えあるプレーが見られました。
1セット目前半はエスペホ選手がセンターに切り込んできたり躍動感がありましたが、このセットは存在感を出せない三好。
また勝選手がエドガー選手につかまりどシャットされる場面が目立ちます。
212cmのエドガー選手とマッチアップするのですから、トスは本当にそれでいいのかなあ?どんな意図があって他に散らさないのかなあ?と気になって仕方ありません。
と思っていたら、13-8のところで三好は2枚替えをしてきました。
代わったセッターの小松選手はミドル高山選手の速攻で切りますが、味方チームにもったいないミスが出て波には乗れず。
さらにエスペホ選手をJTのセッター深津選手がブロックして17-10、JT安永選手のBクイックも決まり18-10と引き離され、大分三好はタイムアウトを要求する苦しい展開に。
その後も、強打を拾ってオポジットが決めるという三好がやりたいバレーを、むしろJTがしっかりこなしていきます。
そこで三好は勝選手に代わり米田選手を投入。
コートに戻ったセッターの藤岡選手が彼にスパイクを決めさせるも、やはりエドガーのところからで、直前にミドルが彼に止められたばかりだったのでヒヤヒヤでした。
「エドガー選手を抜いて決めさせる!」という執念なのでしょうか…
その後ようやくエスペホ選手のバックアタックが見られ、ほっと胸をなでおろした私…JTファンなのに…
しかし点差は大きく、終盤にヤカン・グマ選手のサービスや米田選手の強打が決まり盛り上げようとするも、もはやJTはびくともしないという風情。
第1セットに続き、25-17で第2セットもJTが取りました。
第3セット
第3セットは一本目、三好のリベロ・松尾選手の素晴らしいフォローが出てよく繋ぎましたが、JTエドガー選手がラリーを強打で制します。
そしてこのセットは序盤から、見せるバレーの質にちがいが見えてきます。
個人技に優れたJTは、ラリー中の乱れた場面でも縦のクイックを決めたり、止められるスパイクは確実にコースを塞ぎブロックポイントを稼いだり…余裕が感じられます。
(そんな中でも1点にこだわり、チームを引き締めていく深津選手の厳しさが好きです。)
大分三好もセッターの小松選手がミドルを絡めた攻撃を展開するも、なかなか連続得点に結びつきません。
ミドルがよく決まったのはJTのほうで、安永選手・小野寺選手ともに高いスパイク決定率でした。
結局25-19とストレートでJTサンダーズが勝利しました。
まとめ
この試合の感想…というか、特色は二つ!
一つは、JTのブロックが圧倒的だった!!
3セットを通しての総ブロック本数は、なんと15!
しかも狙って仕留めにいった結果、確実に叩き落としている。
身長の高さだけだけではなく、跳ぶ位置・腕の出し方・手の締め方など、見事なブロックがたくさん見られた試合でした。
もう一つの強烈な印象としては、エドガー選手が止まらなかった!
23本打って20本決めるという、驚異の決定率87%!
しかも止まらないうえ、止めてくる!!
ブロックポイントをざくざくと稼いでいましたね(計5点も)。
前日の悔しさを晴らせて嬉しいことでしょう。
やはりこう見ると、JTは強い。
でもすごく感じる「まだまだ」感。
これは第1Legの序盤に見せた強さが、最近は鳴りを潜めているように感じるから。
もっとミスを減らせるし、もっと拾える・つなげると思う場面もちらほらあります。
個人の力による強さだけではなく、チームとしての強さをもっと観たい!
そんな期待を抱きつつ応援していきたいと思います。