この週末は、JTサンダーズが大阪に!
というわけで今日は、丸善インテックアリーナに足を運んできましたよ!
(サントリーのホームなのでサンバーズの幟が立っています。)
よって今回は現地での観戦レポートで、対戦相手は今季無敗で連勝街道をひた走るパナソニックパンサーズです。
個人的な見どころ
ここまでの試合を見ていると、今季のサンダーズは面白い!
特に劉力賓選手の加入によって攻撃の幅が広がりましたし、サイドの決定率が上がりました。
チームがまとまれば、パンサーズ相手にも良い試合ができるかもしれない。
それどころか、勝機もあるかも…!
新生JTが王者パンサーズにどんな戦い方を見せるのか、ワクワクしますね!
そして何より、セッターの深津兄弟対決!
私は兄である深津旭弘選手のトスが好きです。トスワークというか、トスそのものが好きなんです。
どんなサーブカットも、彼の手を経由すると美しい弧を描き優しく伸びていく。めちゃくちゃ打ちやすそうですよね!
弟の深津英臣選手は全日本でもおなじみですが、実はあまり彼の試合を生で見たことがありません。でもトスの質が似ているような気はします。
二人のトスを見比べるのも楽しみですね。
スターティングメンバー
☆パナソニックパンサーズのスタメン
15福澤達哉→10山内晶大→2深津英臣→13クビアク・ミハウ→6白澤健児→4大竹壱青
リベロ:永野健
★JTサンダーズのスタメン
3深津旭弘→16劉力賓→2小野寺太志→6トーマス・パトリック・エドガー→18山本将平→4中島健太
リベロ:10井上航
(敬称略・サーブオーダー順)
第1セット
序盤、良い出だしを見せたのはJTサンダーズ。
好レシーブやサービスエースを繰り出す深津旭弘選手、二段トスをきっちり決めるエドガー選手のおかげで、最初のテクニカルタイムアウトを8-2と大きくリードして迎えます。
しかしこのタイム空け、クビアク選手のサーブからパナソニックがノリ始めます。
Jtは劉選手がバックセンターからサイドから、切るべき所は切るのは良いのですが、チームとしての守備がどうにも良くない…。
「うーん、そのスパイクは上がるよね?そのボールは繋げるよね?」というのが数本ある上、連続スパイスミスまで出る始末。
二回目のテクニカルタイムアウトは16-14と逆転されて迎えます。
そんなJTコートに比べて、福澤&クビアク選手は、決めてほしい時は必ず決める。
「分かっているよ、当然だよね」という感じで決めてくる。ベテランで経験豊富なうえ、速くて上手い。
そんなレフトが二枚揃っているのですから、パンサーズはそりゃあ強いですよね。
一方でサンダーズはコートの中に元気がない。
セッターの深津選手が乱れたレシーブをよくフォローしますが、もったいないなあと思う失点がいくつもありました。
それでも引き離されることなくついて行き、山内選手のクイックを止めて19-19と並び返したまでは良かったす。
が、キャプテン山本選手に残念なミスが出て23-20となった上、武智選手に代えられてしまいました。
私は山本選手のファンですし、もちろん本人が一番悔しいとは思うのですが、これは仕方がないなと思う交替でした。
そして24・25点目をそつなくとるパナソニックはさすがです。
第2セット
JTサンダーズは第2セット、山本選手に代わった武智選手がそのままスタメンとして出場。
1つめから長いラリーになり、これを劉選手が決める出だし。
逆転負けの嫌なムードを払拭できるでしょうか?
パンサーズは山内選手のサービスエースやクイック、白澤選手の平行のようなBなど、センター線がきっちり生きています。
その上で福澤・クビアクの両選手が切るべきところを確実に切る。そしてこの二人が決めると締まるんですよね、流れも雰囲気も。
今日初めてバレーを見たお客さんがいたとして、パンサーズが強いということだけは間違いなく伝わると思います。
一方サンダーズは、サーブレシーブの乱れから多彩な攻撃を繰り出せません。
エドガー選手頼みの場面が増えてくるのは良くありません…だって負ける時のパターンですから。
総合的に強いチーム(パンサーズ)vs外国人選手による個人技のチーム(サンダーズ)という構図になりかけてきて、見ているほうはハラハラです。
11-7と4点リードされてJTがタイムアウトをとりました。
その後は劉選手のバックアタックなどで点差を縮め、井上選手のディグからエドガー選手が決めた13点目は大きかった!
さらに久原大輝選手がピンチサーバーで入ると、2本連続でラリーを制す良い流れ。
16-16と追いつきます。
しかし20点目以降になると急にJTが失速します。
それも「え~」と言いたくなるようなミスが出て、自ら点数を献上しているかたち。
このセット後半は本当に、「もっと締まっていこうよ!」と言いたくなるような展開でした。
深津旭弘選手がツーを決めると声を張り上げてチームを鼓舞しますが、今ひとつ雰囲気が…
最後はやはりクビアク&福澤選手で24・25点目をとるパナソニック。
25-23でJTは2セット連敗です。
第3セット
第3セット、JTは中島選手に代えて、安永拓弥選手をスタメン起用。
レフトは引き続き武智選手です。
せめて1セット、取ってくれるでしょうか。
このセットはお互いにサイドアウトをくり返して進み、二度目のテクニカルタイムアウトも16-15で迎えています。
相変わらずバリエーション豊富なパンサーズの攻撃に対し、サンダーズもこのセットは安永選手のクイックや劉選手のバックアタックなど、トスを散らしてきます。
それにしても深津兄弟、どちらも本当に巧いセッターですね…。
ただ何度か気になったのが、JTのチームワーク。
「声を出し合っていればつなげたよね?」という場面が何度かあり、点数的に競ってはいるけれど、気持ち的には不安が先行します。
1セット目・2セット目同様、20点台に乗ってからの勝負となったこのセット、その不安は的中してしまいました。
クビアク選手や福澤選手がプレーでも態度でも引っ張るパンサーズを、この日のJTに崩すことはできず。
25-22でサンダーズのストレート負けとなってしまいました。
まとめ
今季のサンダーズは去年より強いし面白いと思う。
でもパナソニックパンサーズを見ていると、「これが本当に強いチーム」だと感じます。
その差は“詰め”。
「この1点を渡したら相手に流れが行ってしまう」というところでは、両レフトが絶対に決めてくれるんですよね。
クビアク&福澤選手はV1リーグ最強の二枚だとつくづく実感します。
またチームの雰囲気作りもちがう。
自らを鼓舞していけるパンサーズに対し、サンダーズはまとまりが薄いように思います。
だからコミュニケーション不足のミスも出るわけで…もっと”一丸”になっている姿が見たいものです。
さてセッターの兄弟対決ですが…本当に天才兄弟ですね!
兄のJT・旭弘選手は、めちゃくちゃ打ちやすいトスを上げる。
あの伸び方、うっとりします。
弟のパナソニック・英臣選手はブロックをふるのが上手い。
狙った場所に引きつけておいて、空きを作ってそこから攻撃を通す。
そしてトスが速いです。
このお二人、試合後はふつうに会話しながら会場を出て行きました。
兄弟といえば、久原兄弟も兄がJT、弟がパナ所属です。
兄の大輝選手はピンサーで流れを呼びましたし、弟の翼選手はクビアク選手に代わってそつなくこなしました。
二人とも途中出場ですが、しっかり仕事をしていましたね。
翼選手はチームが変わればスタメンでばりばり活躍できるのでもったいないと思いますが…
それにしても今日は、あっという間にサンダーズが負けた印象で、本当に残念でした。
先週のジェイテクト戦が素晴らしかっただけに、期待して足を運んでしまいました。
負けるのは仕方ないけど、もっといい負け方をして欲しい。
お金を払って観に行く側の正直な感想です。