バレーボール・ネーションズリーグ男子の日本ラウンド初日、大阪市中央体育館に観戦に行って来ました!
そのあまりに酷い演出に関しては前記事で述べたとおりなので、今回は試合そのものについて。
第1試合のポーランドVSイタリア戦と、第2試合の日本VSブルガリア戦、2試合ともしっかり観てきたので、感想をまとめておきたいと思います。
第1試合・ポーランドVSイタリア戦
ポーランドは世界ランク3位、イタリアは同4位ですから、世界最高峰の試合が見られるとワクワクでした。
外国勢の戦いで金曜の午後ということもあり(15時スタート)、客席は2割埋まっているかどうかというところ。
こちらは公式ウォームアップの様子です。
イタリアは選手みんなの動きが揃っているのが分かると思います。
この後に両チームとも対人をするのですが、ポーランドはコートを横に使ってパスするのに対し、イタリアは縦に使っていました。
アップにもそれぞれのカラーがあって面白かったです。
第1セットはイタリアにコンビミスあったり、いいプレーの後にサーブをミスしたり、上手く回ってないなという感じでした。
イタリアにはジャネッリという若い大型セッターがいますが、前半はあまり調子が良くないように見えました。
それでも個人技というのはちゃんと光るものですね!
イタリアが9点目を獲った時のこと。
レフト寄りのネット際に上がったレシーブがネットを越えそうだったんです。
それをジャネッリが右手一本で阻止し、なんとバックライトにふんわりとしたワンハンドトス!
ライトからのバックアタックを見事に演出したのでした。
いや~芸術的というかなんというか…バレー経験者ほど目を丸くする技術だと思います。
この一本を見ただけで会場に来た甲斐あり!と思いました。
それにしてもジャネッリの手首の柔らかさとパワー、本当にすごかった…!!
ジャンプトスをする際、レシーバーが受けたボールが彼の手に収まるまでのほんの短い間。
この間に相手ブロッカーと自チームのスパイカーを一瞬で把握し、どこにトスを上げるか決める。
ジャネッリのトスアップは、この間さえエキサイティングでした。
試合のほうは平均身長202cmのポーランドが要所要所で好ブロックを見せ、一方イタリアは組織力で対抗し、フルセットまでもつれました。
結果、セットカウント3-2でポーランドの勝利。
世界の一流チームの試合が5セットも見られてすごく面白かったです(大音量の洋楽とDJの喚き声がなければもっと試合に集中できたのに)。
第2試合・日本VSブルガリア戦
1試合目は見やすい席にいたのですが、騒音なみの音響のせいで頭痛がしてきたため、あまり人のいない席に移動しました。
でも私はトス回しを見たいタイプなので、エンドライン側が好きなんです。
第1セット
<スタメン:福澤・李・藤井・西田・山内・柳田&古賀>
立ち上がりはいい攻撃も決まっていましたが、サーブで崩せず簡単にコンビを使われてどんどん点差が離れていきました。
西田⇒大竹、藤井⇒関田、柳田⇒浅野とメンバーチェンジをするも、流れを変えられず。
強打以外のボールもいまいち繋がらずに14-25でさっくりとセットを落としたような印象です。
良いところといえば、リベロの古賀選手と浅野選手はやっぱりレシーブが上手い!というプレーが見られたくらいかな。
強烈なジャンプサーブをきれいに上げる技術はすごかったです。
第2セット
このセットは西田選手に代わり大竹選手がスタメン。
山内選手のサービスエース、李選手のブロックと好調な出だしで、終盤まで競った展開に。
このセットはセンター線の攻撃がよく決まっていました。
でもサイドの攻撃の決定力が弱く、正直に言うと「ああ!清水選手がいれば勝てる試合なのに!!」と思ってしまった…。
リハビリしているご本人が一番悔しいに決まっているのですが、やっぱり清水選手のケガは大きいです。
16-20とリードを広げられたところで、大竹⇒西田の選手交代。
ここから西田選手が地力と意地を見せてきました。
古賀選手のナイスカットから関田選手のナイストス、そして西田選手のスパイクがクリーンに決まったところが一番の見応え。
日本代表の技術を見た19点目でした。
しかし残念ながら21-25でこのセットも落とします。
第3セット
キャプテンの柳田選手に代わって浅野選手がスタメン。
2セット目に勢いを見せた西田選手も引き続きスタメンです。
3セット目はこのメンバー起用が当たり、日本がリードする展開に。
良いラリーも生まれ、ようやく見応えある試合になってきました。
こうなると、無駄な煽りなんてなくても会場は一つになるんですよね。
すごい一体感の中で好プレーが連発されます。
個人的にはリベロ・古賀選手のバックトスを西田選手が決めた17点目がアツかった!
22-24の日本のピンチで西田選手が相手ブロックをぶち破った時は、この日一番のガッツポーズと大声が自然に出ていました。
粘ってデュースに持ち込むも、27-29で試合終了です。
まとめ
というわけで、結果的にはストレートで敗れた日本。
1セットは取ってほしかったなあと残念ですが、観に行って良かったと思う点も二つありました。
清水選手が不在だと急にライト(オポジット)の攻撃力が落ちてしまうのを、これまで何度目の当たりにしてきたか。
しかし西田選手が気を吐いたのを見て、ようやく決定力のあるライトが誕生したなと感じました。
Vリーグではジェイテクトの内定選手として活躍していましたが、国際試合でもいけますね!
彼の何が素晴らしいかって、ダイナミックで闘志あふれるプレーをするから、たとえミスをしてもチームのムードが落ちないところ。
東京五輪にはぜひベテランの清水選手&若手の西田選手に行ってほしいと思いました。
またVリーグを観戦しても毎回驚くのですが、浅野選手の技術やキレも本当に素晴らしいです。
ブロックカバーなどのつなぎでは、反応も動きもとにかく速い。
跳ぶ、というより「浮く」という言葉を連想させるようなジャンプ力も、目を見張ります。
運動神経がずば抜けているんだろうなあ。
サーブレシーブやブロックを上手く利用したスパイクなど、終始キレのある動きが目を惹きました。
小柄でも全日本入りしているのが、1セットの途中から入るだけでよく分かるのだから、やはりバレーボールそのものが群を抜いて上手いのだろうなあ。
こういう選手こそ、時間と労力とお金をかけても会場で見る価値があると思います。
最後に、全日本メンバーとしての活躍が心底見たい選手。
前を歩く豊田合成トレフェルサの高松卓矢選手。
(今気づいたのですが、後ろに石川祐希選手も写ってますね!)
高松選手の気迫や闘志は気持ちがいいし、チームも準優勝と結果も出しています。
熱い男ぶりがフォーカスされやすいですが、クレバーな選手でもあると思います。
昨年も招集されたものの出番がなかったので、今年こそ活躍を見られることを祈っています!