『ハイキュー!!』7巻レビュー「”準備”し続けることの真の価値」

放課後は毎日毎日、部活に励んで疲れて帰って。

レギュラーの面々は試合でそれを発揮できるから、結果はどうあれある意味”報われる”ことになるでしょう。

でもレギュラーじゃない人は?

部活を続ける意味って何だろう?

レギュラーを奪えるよう努力しても、それが無理そうならどうすればいい?

続けていくモチベーションは?

…そんな疑問や悩みのある人にぜひ読んでほしい『ハイキュー!!』第7巻の感想です。

レギュラーを外れた菅原孝支のやり方

影山たち一年生が入ってくるまではレギュラーのセッターだった三年・菅原孝支(スガワラコウシ)

烏野高校の副主将でもあり、前回書いた田中とはまた違った強さがあって好きなキャラクターです。

IH予選二日目に進んだ烏野高校は、6巻後半から宮城の強豪・及川徹率いる青葉城西高校と対戦中。

第1セットの終盤、焦りで乱れる影山に代わって菅原が入るところから7巻は始まります。

まず、コートへの入り方がお見事!

<古舘春一『ハイキュー!!』第7巻・P8 集英社>

控えの選手がこんな風にコートに入っていくのって、実はけっこう勇気がいると思う。

コートで動いていたメンバーと違って身体に緊張があるし、自分だったら「足を引っ張ったらどうしよう」とか考えると思います。

菅原にももちろんそういう思いはあると思うのですが、敢えて一人一人に陽気に絡みながら入っていって、

大丈夫!一本切ってくべー!!

次ページ冒頭のコマでは最高の笑顔でそう言って、うまく回っていなかったチームのみんなもつられて笑顔に。

でも彼は、ただ単にムードを変えただけではないんです。

月島とブロックをスイッチしたり、次の相手の攻撃を読んだうえで日向にブロックのアドバイスをしたり。

もちろん攻撃面でも、味方一人一人の持ち味を生かしたトスアップで貢献していきします。

この↓Cクイックはほんと気持ち良かった!構図も好きです。

<古舘春一『ハイキュー!!』第7巻・P24 集英社>

途中から入った選手がすぐに活躍するのは決して簡単なことではありませんが、彼はちゃんと”準備”ができているんです。

天才と比較して落ち込むのではなく(きっと本当はそんな日もあるけど)、自分がチームのためにできることは何かを常に考えている。

試合中での活躍だけが貢献ではなく、見えないところのサポートだってその一つです。

でも菅原の好きなところは、天才の後輩にレギュラーを奪われても、自分もちゃんと試合に出ることを前提とした努力をしているところ。

自分が出場することを諦めず、実際に出た時のことをシミュレートして練習したり準備したりしている。

つまり菅原の好プレーは、一つ一つがふだんの練習やアップゾーンでの考察の賜物なのです。

そう思うと本当に尊い。

「部活の目的=大会で勝つための準備」だと意識できている控え選手って案外少ないと思うんです。

そもそも自分の準備が活きるとは限らないわけで。

自分が必要かわからない状態でも腐らず準備し続けることには、忍耐力がいる。

自分を信じていないとできない。

菅原がそれをちゃんとしていることの意味、チームにとってすごく大きいなあと思います。

でも180cmある影山に対して174cmの菅原

どうしても低くなるライト側のブロックを狙い、ストレートを打たれる場面が増えていきます。

ベンチではコーチが影山を呼んでいる。

あと1プレー…かな…

そう悟った菅原ですが、それはコート内の三年生も同じで。

エースのがこう声を掛けてくるんです。

スガ 次の一本俺に寄越せ
絶対決める

<古舘春一『ハイキュー!!』第7巻・P79 集英社>

実際、次の相手サーブを大地がレシーブ、菅原がトスを上げて、がブロックをぶち抜きます。

この三年生トリオの獲った1点、すごく熱かった…!!

同学年の菅原の攻撃の組み立ては間違ってない、いいトスをあげていたと証明してみせる一連のプレーでした。

それにしても、自分にできること・自分なりの貢献の仕方を模索して、実行していくことのカッコよさよ。

自分がブロックを振らなきゃ、とにかく自分が早いトスをあげて自分が自分が自分が…
となりかけていた影山が、先輩からちゃんと「スパイカーを信じる」ことを学ぶ一戦になりましたね。

二人がより好きになる!中学時代の及川&岩泉

左の鼻穴にティッシュを詰めた及川と、おでこに絆創膏のようなものを貼った岩泉

第60話の表紙が好きです。

第2セット終盤に挿入される、二人の北川第一中学時代のエピソードですね(烏野の影山は二人の中学時代の後輩)。

体格にもセンスにも恵まれた及川ですが、大会では牛島のいる白鳥沢に優勝を阻まれ続け、さらに3年になると影山という天才が背後に出現し、焦燥します。

ついに冷静さを失い暴走しかけた及川に、岩泉が頭突きをくらわせ目を覚まさせる。

てめえ一人で戦ってるつもりか
冗談じゃねーぞ ボゲェッ

バレーはコートに6人だべや!!

相手が天才1年だろうが牛島だろうが
6人で強い方が強いんだろうが ボゲが!!

勝って全国に行きたい、そのためには俺がもっと俺が俺が…と周りが見えなくなっていた及川ですが、「6人で強い方が強い」という言葉に俄然無敵な気持ちになるのでした。

彼の味方の能力を最大限引き出すプレースタイルは、きっとここから始まったんでしょうね。

そして中学最後の大会、初めて牛島のチームから1セットを奪い、準優勝。

ベストセッター賞にも輝いた及川ですが、この表情。

<古舘春一『ハイキュー!!』第7巻・P137 集英社>

死ぬほど悔しがれるのはそれだけのことをしてきたから。

その悔しさを隠さずに、涙も鼻水も流しながらこんな風に言える二人がとても好きだなあと思います。

…さて試合は立て直した烏野が第2セットを奪い、ファイナルセットにもつれこみます。

15-15の同点で青葉城西がタイムアウトをとったところで7巻終了。

ところでこの7巻では、人気投票の結果が発表されているんです。

そこで次回は私も、7巻までの登場人物での好きなキャラクターランキングを発表したいと思います♪

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