『ハイキュー!!』17巻レビュー「努力の道を自ら選び、進む人」

ついに来ました『ハイキュー!!』17巻。

舞台は春高・宮城県代表決定戦の準決勝、烏野高校VS青葉城西高校のファイナルセット。

23-24と青城がマッチポイントを握ったこのシーン、果たしてどう動くのか?

息詰まる展開が続く『ハイキュー!!』17巻の感想ブログです。

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ひたすら努力するという道の選択

自分より優れた何かを持っている人間は
生まれた時点で自分とは違い
それを覆すことなど
どんな努力・工夫・仲間を持ってしても不可能だと嘆くのは
全ての正しい努力を尽くしてからで遅くない

“自分の力はこんなものではない”と信じて
只管まっすぐに道を進んで行く事は

“自分は天才とは違うから”と嘆き諦める事より
辛く苦しい道であるかもしれないけれど

これは第146話『才能とセンス』の中で、青城セッター・及川徹が回想する、ある指導者の言葉です。

本当に、その通りではあるのだけれど、この道に待っている心のヒリヒリ加減ときたら、もう。

大人が不用意に子どもに言っていい言葉だとは思えないほどです。

私は大人になってから、バレー以外の分野で「正しい努力を尽くす」覚悟をして、実際に尽くした経験があるのですが…

殻を破るたびに、喜怒哀楽のどれでもない涙がぽろぽろこぼれたのを思い出す。

及川はこのこの道を行くと10代で決めて、この道程の、まっただ中にいるんだなあ。

だからつまり、これは通過点なのだし、これからの人達だと分かってはいても(いやそもそも漫画だしね?)、高校部活の刹那性が何度でも泣かせにくるのですよ。

17巻め。

春高予選準決勝・ファイナルセットの23-24

さあ第3セット終盤、青葉城西がマッチポイントを握るや、”最後の勝負”に出る烏野ベンチ。

MB月島サーブのローテで、3年セッター菅原をピンチサーバーとして投入します。

サーブをミスっても試合終了となる恐ろしい場面ですが、菅原は深いところを上手く狙い、青城コートを揺さぶります。

ミドル金田一の背後から飛び出した京谷が試合を決めるかという瞬間、読んでいた影山はストレートを締めに跳ぶ、その真横に日向が突っ込んで来て―

京谷のクロスを日向が思い切り弾いた球は、青城コートの奥深くにIN…!!

24-24と追いつき、デュースに持ち込みます。

今度はサーブを前に落とす菅原、青城の攻撃は白帯を弾いて烏野側へ。これに菅原が飛び込み、影山のトスアップ。

4人が一斉に攻撃に走り出し、どこから来るのか!?身構える青城前衛陣。

の、隙をついて、影山がフェイントのツー…!!

25-24と烏野が逆転、逆にマッチポイントを握り返します。

というこの緊迫感と、思いがけないことが起こる驚き。

すごくリアリティーある終盤の攻防だと思います。

リアリティーと言えば、この時に青葉城西がとった2回目のタイムアウトもそう。

どちらのチームも微塵も諦めておらず、覇気があって鋭い。

漫画なのに、みんなの声や台詞のテンポが手に取るように分かる。息遣いが聞こえてきそう。

一人ずつ・一つずつの台詞が鋭く意味があって、とても臨場感のあるシーンになっています。

タイムアウト明け、青城。京谷のスパイクを田中が上げ、菅原と影山がセッターをスイッチ、シンクロ攻撃につなげます。

この大事な場面、やはり旭にトスが上がり打ち抜くも、花巻がディグで素晴らしい反応を見せる。

だが乱れてコート外、主審の後ろ側に飛ぶボール。

烏野からは「チャンスボール!」の声が出るも、及川は。

<古舘春一『ハイキュー!!』第17巻・P37 集英社>

そして、コート外からの速い超ロングセットアップ

<古舘春一『ハイキュー!!』第17巻・P38.39 集英社>

磨かれたセンスの為せる業に鳥肌。

しかもこれに、絶妙なタイミングで入って来る岩泉!

ドンピシャ!

素晴らしいスパイクを打つも、烏野も必死に繋ぎ、返ったボールをまた青城が必死に繋ぐ。

影山が上げたトスを打ち抜く日向―

その球は、及川の手を弾き…

<古舘春一『ハイキュー!!』第17巻・P62 集英社>

第3セット

26-24で烏野の勝利。

すなわち

セットカウント2-1で烏野が決勝進出の切符を手にし、

青葉城西は準決勝 敗退 という結果に。

嗚呼…。

青城ファンの主張「その宣戦布告をするからには」

それにしても第148話は、青城ファンとしては読んでいて最も辛かった。

待って?漫画でこんな心痛ってあるの?
こんな悔しさってあるの?

というくらいしんどい…。

あの超ロングセットアップを決められずに

<古舘春一『ハイキュー!!』第17巻・P74・75 集英社>

何がエースだ!!!

と嘆く岩泉。

その背中を叩いていく3年レギュラー。

応援団の前で岩泉は顔を上げますが、読んでるこちらは悔しさマックスですよ。

試合終了後、会場内で白鳥沢の主将・牛島若利に遭遇する及川さん。

中学時代からいつも優勝を阻まれてきたライバル校のエースです。

牛島は言います。

お前は道を間違った

もっと力を発揮できる場所があったのに

取るに足らないプライドの為に
お前はそれを選ばなかった

つまり及川が青城に行かず自分のいる白鳥沢に来ていたら、全国にだって何度も行けていたんだぞ、という意味ですね。

対する及川の答えは

俺のバレーは
何ひとつ終わってない

取るに足らないこのプライド
絶対に覚えておけよ

<古舘春一『ハイキュー!!』第17巻・P79・80 集英社>

ここで私が強く主張したいのは!

この及川徹の台詞を必ずやいつか回収してくださいよ?

というただ一点。

この台詞を読んだ読者は”絶対に覚えている”のだから、ちゃんとそういう未来を用意してください!

とね、強く思うのです。

春高宮城県予選、決勝戦始まる

いよいよ春高バレー宮城代表決定戦の決勝が始まります。

対戦相手は超高校級エース牛島を擁する絶対王者・白鳥沢学園

189cmのパワーアタッカーにトスを集め、純粋にこの最強の武器1本で相手チームを破壊しにくるプレースタイルです。

しかも牛島は左利き

リベロ西谷が捉えたと思ったボールでも、右利きと逆に回転のかかるスパイクは、慣れるのに時間を要します。

ブロッカーも同様、身体に染みついた感覚で跳ぶと、ガンガン抜かれてしまうことに。

ブロックとレシーブ体系のトータルディフェンスで白鳥沢と戦おうとする烏野ですが、第1セットは苦戦します。

そんな中、牛島とネットを挟んで目が合った月島は、

僕は怯んだのか

いや 負けると思ったんだ
それが当然であるように

と自己分析、思わず舌打ちが出ます。

8-16とダブルスコアでテクニカルタイムアウトを迎え、明けたところで牛島サーブ。

破壊力抜群のスパイクサーブで、レシーブの名手・大地からエースを奪います。

開いていく点差。

サーブレシーブがないポジションで良かったと内心胸をなでおろす月島は、すでにこのセットを落とすのは仕方ないと考え始めるのですが、振り返った視線の先には―

<古舘春一『ハイキュー!!』第17巻・P182・183 集英社>

みじんも怯むことなく、目の前の1本に集中し上げて見せることしか考えていない西谷のこの表情。

牛島の強烈サーブに打ち克つことができるのか!?

ツッキーはこの西谷の姿勢に何を想う?

というところで17巻は終了です。

番外編に泣く

白鳥沢は白鳥沢で、天童とか五色とか白布とか…いいキャラ勢ぞろい。

なのですが、青城ロスでいまいち入り込めず(どんだけ)。

そんな私が再び泣かされたのが巻末に収録された番外編ですよ。

試合会場を去った青葉城西の面々の様子が描かれています。

ラーメン屋で泣きながら食べた後、つい学校の体育館に足が向いてしまった3年生。

何対何かに分かれてゲームをします。

時間が来て、片付けを始めるメンバーを前に、及川が。

まったく。まったくもう。

だからやっぱり青城が好きだし、泣いてしまうじゃないか。

そしてこの次の3ページは、小学校からずっと一緒にプレーしてきた及川と岩泉の名シーン。

かっこいいです。

敢えて書きません。

ぜひ読んでみてください。

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